2.3バージョン 開発者レター(前編)|海の彼方に仙山あり、ともに「青州」へ

2026-10-09 LATEST

不見山での旅がひと区切りを迎え、10月15日、私たちは再び東へ向かい、新たな地域「青州」へと旅立ちます。

深い山々を越えて海辺へと至る青州では、これまでとはまた違った風景と物語が待っています。山には古の石刻が残され、遠くでは黄河が海へと注ぎ、その彼方には仙山にまつわる伝説が語り継がれています。雨上がりの羊たちは、本当に虹を渡って雲の上へと登っていくのでしょうか?海と空の彼方には、物語の中にしか存在しない蓬莱の仙境が、本当にあるのでしょうか?

青州で描きたいのは、まさにそんな、現実の山海と民間の奇想のあわいに広がる世界です。侠客の皆さまは、山へ登って海を眺め、村や町を抜けながら、仙人の足跡を追って旅を続けることができます。歩き疲れたら、道端に腰を下ろしてひと休みし、地元の人々から、本当か嘘かも分からない不思議な話に耳を傾けるのもよいでしょう。

歩いて、耳を傾けて――まるで東方の『千夜一夜物語』を、自ら一頁ずつめくっていくような旅をお楽しみください。

 

山から海へ――足で切り拓く旅

「青州」の地域モチーフは、主に中国・山東省から着想を得ています。ここには中央部に連なる山地と、広大な平原が広がっています。さらに東へ進むと、半島が太平洋へ向かって突き出し、丘陵や河口、湾が一つにつながっています。こうした変化に富んだ地形を活かし、オープンワールドのデザインでは、侠客の皆さまに「山から海へと歩いていく」旅を感じていただけるよう意識しました。

青州で最初に訪れるのは、東岳・泰山です。泰山は中国の「五岳」の筆頭に数えられ、古来より歴代の皇帝たちが登り、祭祀を行い、数多くの石刻を残してきた名山の一つです。ゲーム内では、松林と石段に沿って山を登り、南天門や摩崖石刻など、実在する景観を巡ることができます。高みへと登れば、それまで各地に点在していた村々や田畑、川、そして遠くの海岸線までが一望でき、青州の全景が初めて目の前に広がります。

山を下りると、そこにはまた違った賑わいが広がっています。涌泉鎮にはさまざまな泉が湧き、澄んだ水の中には錦鯉が泳ぎ、空を見上げれば一面に凧が舞っています。大葱村では、ネギ畑がそのまま市場へとつながり、地元の人々が「ネギ王決定戦」まで本気で開催しています。山東のネギはもともとこの地方の名産で、プロヴァンスのラベンダーやオランダのチューリップのように、一目でその土地を思い浮かべられる特色の一つです。

さらに海へ向かって進むと、景色は再び大きく開けていきます。黄河の河口では日の出を眺めることができ、時には壮大な「鳥の群れの波」に出会うこともあります。これは沿岸の湿地で見られる自然現象の一つで、大量の鳥たちが空中で一斉に向きを変え、集まったり散ったりしながら飛ぶ姿は、遠くから見ると形を変え続ける大きな波のように見えます。時には巨大なクジラを思わせるほどの大きな姿を描くこともあります。侠客の皆さまは、鳥の群れに加わり、彼らとともに空を飛ぶことさえできます。

さらに東へ進むと、蓬山へと辿り着きます。四方を海に囲まれ、陸地から隔てられた蓬山は、人々が思い描く「仙山」の姿にもよく似ています。しかし実際に足を踏み入れてみれば、そこにあるのは伝説の仙境だけではありません。東方を代表する思想家・孔子の故郷でもある山東の深い文化的伝統は、蓬山にも息づいています。島には古い書院や巨大な聖人像、そして「天下一」と称される蔵書閣が建っています。こうした学府の建築が並ぶ蓬山は、外界から隔絶された哲学文明の地にも見え、どこかアトランティスを思わせる神秘性も漂わせています。

東岳から蓬山まで、青州にはさまざまな景色が広がっています。同じ場所でも、立つ高さが変われば、まったく違った姿が見えてきます。そこで青州では、「高みから遠くを見渡す」ことも探索の一つとして取り入れました。山頂や峰の頂など、自然の高所を活かした一部の鳥瞰ポイントからは、周辺エリアを解放しながら、実際に山へ登って景色を眺めるような視点で、この山海の地を改めて見渡すことができます。近くにどんな村や町があり、どんな道が続き、その先にどこへ向かうべきか――少し高いところへ登れば、その全体像が見えてくるかもしれません。

そして青州に伝わる奇聞の中には、話を聞くだけでは終わらず、自らその地へ足を運んで確かめるものもあります。たとえば、泰山の麓には漢代の古い墓が眠っているという話があります。侠客の皆さまは仲間とともに地下へと足を踏み入れ、仕掛けや毒虫、謎解きの数々を乗り越えながら、墓の主が残した秘密を探ることになります。海辺で聞いた地元の奇聞が、たちまちまったく異なる冒険へと侠客の皆さまを誘うこともあるでしょう。

 

心温まる「おもてなし」の青州へようこそ

青州の人々や文化を形作るうえで、もう一つ欠かせないキーワードがあります。それは「おもてなしの心」です。

山東の地域文化では、遠くから訪れた客人を温かく迎え、困っている人がいれば自然と手を差し伸べる姿が、象徴的な風景の一つとなっています。いくつかの会話だけで「ここの人々は親切です」と伝えるのではなく、私たちはその温かさを、探索そのものにも影響するゲームプレイとして体験していただきたいと考えました。

青州は、これまでで最もNPCが侠客の探索に深く関わる地域を目指しています。新たな「同郷」システムを通じて、さまざまな村や町で、それぞれ異なる得意分野を持つ地元の人々と知り合い、旅の仲間として招くことができます。土地に詳しい同郷は道案内をしてくれ、謎解きに行き詰まれば一緒に知恵を絞り、本当に困ったときには、ただ傍で見ているだけではありません。親交を深めていけば、彼らは単なるNPCではなく、それぞれの得意分野で力を貸してくれる「臨時の旅仲間」のような存在になっていきます。

ここで面白いのが、誰を連れていくかによって、同じ出来事でもまったく違った解決方法が見つかることです。交際村の同郷は人付き合いに長けているため、話術や投壺といった場面では、侠客が遠回りせずに済むよう助けてくれます。探検村の同郷は目がよく、近くの見落とした探索ポイントを教えてくれるほか、洞窟や仕掛けに遭遇したときも、一緒に道を探して謎を解いてくれます。健身村の同郷はもっと直接的です。侠客を背負ったまま駆け抜けたり、水に入って魚を捕ったりできるほか、中には鍵など必要なく、その腕力だけで力ずくで開けてしまえる扉もあります。誰と知り合い、誰と旅をするのか――それによって、同じ道でも進み方が変わり、同じ仕掛けでも攻略方法が変わることがあります。

同郷たちとの交流には、青州ならではの土地の風情もできる限り取り入れています。海辺では潮干狩りを楽しみ、凧の里では紙凧を揚げ、地元の人々と出会えば、酒を酌み交わしながら、拳遊びを楽しむこともあります。また、もっと気ままな交流も用意しています。たとえば、桃の木の下に少し長く立っているだけで、熟した桃がぽとりと落ちてきて、不意に侠客の頭を直撃することもあるかもしれません。

中国には「賓至如帰」という言葉があります。見知らぬ土地を訪れた客人も、まるで家族のように迎えられ、温かくもてなされることを表す言葉です。

これこそ、青州で侠客の皆さまに感じていただきたいものです。初めて訪れたときは右も左も分からなくても、道中では誰かが気軽に声をかけ、手を貸してくれます。村や町へ行けば、いつでも加わりたくなるような賑わいが待っています。そうして歩き続けるうちに、見知らぬ土地での冒険は、いつしか馴染みの人を訪ねて歩くような、温かな「お宅訪問」の旅へと変わっていくことでしょう。そんな青州の温かさを、侠客の皆さまはもう迎える準備ができていますか?

 

もちろん、青州の魅力は山海の風景や、心の温かさだけではありません。歴史に埋もれた事件や奇聞、そして各地で出会う個性豊かな人物たちが、青州にさらにスリリングで奇想天外な一面をもたらします。次回は、青州で楽しめる新しい遊び方について、詳しくご紹介します。